日本のコーヒー文化は江戸時代から
コーヒーの持つエネルギー
「コーヒーブレイク（coffee break)」という言葉がありますが、英語で「休憩」とか「中断」という意味になります。
言葉のとおり、仕事や勉強や家事をしている途中で、コーヒーを飲みながら休憩時間をとることを「コーヒーブレイク（coffee break)」といいます。
つまり、仕事や勉強などストレス（緊張）がある状態で、「ホッと」息抜きしてリラックスできる飲み物がコーヒーということになります。
東洋医学の陰陽論では、体を固める働きを「陽性」といますが、仕事でストレス（緊張）がある状態は陽性な状態とみます。逆に、体を緩める働きを「陰性」といって、体は自然に陰陽バランスを取ろうとします。
休憩時間に飲むコーヒーは体だけでなく、精神状態もリラックスさせ、気分転換につながる「陰性」な飲み物です。ですから、コーヒーが大好きで1日に何杯も飲む人は、ストレスが溜まっているかもしれませんね。
今では当たり前になったコーヒーを飲む習慣ですが、日本ではいつからコーヒーを飲むようになったのでしょうか。
通説では日本のコーヒーの歴史の始まりは、鎖国中の江戸時代だといわれています。
鎖国中の外国との交流は、長崎出島でのオランダ・中国との貿易に限られていましたが、出島においてオランダが日本にコーヒーを持ち込みました。
コーヒーと健康の関係
コーヒーといえば「カフェイン」、というイメージを持つ人が多いと思いますが、事実、コーヒーには比較的多くのカフェインが含まれています。
参考：カフェイン
カフェインには眠気覚ましや集中力をアップさせるなどの効果が期待できます。
ただし、過剰に摂取すると頭痛やイライラ、めまい、動悸などトラブルも起こりうるので、カフェインを含む飲み物は飲み過ぎに注意しましょう。
参考：カフェインの含有量（飲み物100mlあたり）
| 玉露（浸出液） | 160mg |
| コーヒー（浸出液） | 60mg |
| インスタントコーヒー | 57mg |
| 紅茶（浸出液） | 30mg |
| 緑茶(浸出液） | 20mg |
| ウーロン茶（浸出液） | 20mg |
コーヒーに期待できること
コーヒーは飲み過ぎに注意して上手に適量飲むと、健康のための良い飲み物になることが様々な研究によって明らかになっています。
脳血管疾患や心臓病などの予防（老化予防）
コーヒーに含まれる『クロロゲン酸』などのポリフェノールには抗酸化作用を持っていることが知られています。
＜参考＞抗酸化作用：体内で生成される活性酸素を取り除いたり、その働きを抑制する作用のこと
活性酸素は体内で必要以上に作られると、ガンや動脈硬化、心筋梗塞などいわゆる生活習慣病や老化の原因になると言われています。コーヒーには活性酸素を除去してくれるポリフェノールが豊富に含まれています。
＜欧州心臓病学会の調査＞
コーヒーを毎日1/２杯から3杯飲む人は、まったく飲まない人に比べて、脳血管疾患（脳卒中など）や心臓病（心筋梗塞など）による死亡リスクが約17％低下することが明らかになっています。
糖尿病の予防
『クロロゲン酸』には、すい臓にある血糖値を管理する細胞を守ったり、体内で糖が合成されるのを抑制する働きがあると言われています。
日本の調査で、コーヒーを毎日３～４杯飲む人は「2型糖尿病」の発症リスクが低下することが分かりました。（男性：約17％低下、女性：約38％低下）
＜参考＞2型糖尿病：脂肪の多い食品の過食や運動不足など主に生活習慣の乱れによって起きる糖尿病
ダイエット（脂肪燃焼促進）
『クロロゲン酸』には、脂肪の燃焼を促進する作用があることも確認されており、ダイエット飲料としても注目されています。また、カフェインの中枢神経系刺激効果によって、代謝効率を11％、脂肪燃焼効率を13％増加させる可能性があるとされています。
消化促進
コーヒーのカフェインには胃酸の分泌を促進し、食べ物の消化を助ける効果があります。よって、食後の飲み物として適しているといえます。特に、固まるエネルギーの強い陽性な肉料理のあとの、甘いスイーツとコーヒーは陰陽バランスからみても相性抜群です。
ただし、濃いコーヒーを空腹の状態で飲んだり胃腸に不調がある時は、胃腸への刺激が強く、胃が荒れる場合がありますので、胃腸が弱い人は注意が必要です。
気分高揚（ウツ予防）
カフェインには、ドーパミンやセロトニンなどのいわゆる「幸せホルモン」と呼ばれる脳内ホルモンの分泌量を増やすと言われています。それにより、ウツのリスクを下げる作用が期待でき、ある研究では、1日２～３杯のコーヒーを飲むと自殺リスクを45％低下させることが報告されています。
以上のように、コーヒーには心身の健康のための様々なメリットがあります。ただし、繰り返しになりますが、カフェインの過剰摂取にならないようしたり、胃腸の調子や体質に合わせてカラダの負担にならないように注意しましょう。
コーヒーを選ぶポイント「美味しさだけではないコーヒーもある！」
私たち日本人にとって、もはやコーヒーは日本茶と同様に特別なものではなく、ごく普通な飲み物となりました。コーヒーならではの香り高さ、コクのある風味のバリエーションも豊かで、ブレンドの楽しみもあり、多くの人が家庭や職場でコーヒーを楽しんでいます。
豆から挽いて飲む人、インスタントコーヒーの人、飲み方も人それぞれですし、コーヒー関連商品もたくさん世の中に出回っています。数ある商品の中からどんなコーヒーを選ぶかは個人の自由です。
自分が美味しい！飲みたい！と思うものを飲むのがポイントですね！
脱サラしてコーヒー屋（喫茶店）を始めた父の息子として60年近く生きてきた私ですが、ようやく最近、コーヒーの奥深い魅力に気づき、その香りと風味を楽しんでいます。
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数あるコーヒーの中から、お気に入りのコーヒーを探すのはとても楽しいですね！
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