生活習慣病とは
「生活習慣病」とはまさにその名のとおり、食生活の乱れ、運動不足、喫煙、ストレスなど、生活習慣に関連する病気の総称です。かつて「成人病」といわれていました。
成人に限らず、子どもなど若い世代にも発症するようになり、名称変更になりました。
代表的な生活習慣病は
- 高血圧
- 動脈硬化症
- 糖尿病
- 脂質代謝異常症
- 肥満
- 心臓病
- 脳卒中
- がん などです。
毎日の生活習慣が原因ですから、予防が重要になります。
とくに「食生活」の見直しが生活習慣病予防のカギになります。
先進国に多い生活習慣病
生活習慣病は「先進国」に多いのが特徴です。
日本、アメリカを始めとする豊かで食べることに苦労しない国々です。
世界一のグルメ大国「日本」は、世界中の国々の料理が食べられる珍しい国です。海外から大量の食べ物を輸入し、年間約3000万トン以上の食べ残しをしています。
そんな豊かな日本は「生活習慣病大国」です。
米の収穫量の約3倍を食べ残してゴミにしているなんて、もったいないですね。
一方、発展途上国など貧しくて満足に食べることができない国には、糖尿病やアレルギーなど生活習慣病はほとんどありません。
食うに食えない戦後間もない日本も同じで、食事は粗末でしたが病気は少なかったことが疫学調査で判明しています。
以上のことからも生活習慣病の予防には「食生活」が重要であることは明らかです。
生活習慣病を「陰陽」で大別してみよう
生活習慣病を東洋医学の「陰陽論」でおおまかに大別してみましょう。
【1】陽性な病気(固まる方向性の病気)
【2】陰性な病気(冷えて溶ける方向性の病気)
★陰陽の特徴
陰 性 | カラダを冷やす働き カラダを緩める働き カラダを溶かす働き | 拡散性(広がっていこうとする性質) 遠心性(中心から外へ向かう性質) |
陽 性 | カラダを温める働き カラダを締める働き カラダを固める働き | 収縮性(固まり縮もうとする性質) 求心性(中心に向かう性質) |
陽性な病気(固まっていく病気)
細胞が収縮して固まっていく症状があらわれる病気です。
原因は「陽性」な食べ物です。
例えば、肉や魚、卵など動物性食品は火を加えると硬くなる(固まる)性質をもっています。
また、塩も陽性が強いのでとりすぎると固まる病気の原因となります。
漬物など野菜を塩漬けすると、陰性な水分が抜けてギューッと固くなりますね!
これは塩の陽性エネルギーによるものです。
★塩分のとり方についてはこちらから
高血圧
高血圧とは、血圧が正常値を超えて上昇している状態です。日本では、高血圧の患者数は非常に多く、約4人に1人が高血圧であると言われています。
※2020年の高血圧患者数 1500万人
高血圧は、高齢者に多く見られますが、若年層でも発症しています。
<原因>塩分の多い食事やストレスなどの生活習慣
「陰陽論」では塩分もストレスもカラダをギューッと収縮させる『陽性』のエネルギーですから、血管を収縮させるため高血圧になると考えます。
動脈硬化
動脈硬化は、動脈内のコレステロールや脂肪などの物質が蓄積され、血管が狭く硬くなり、血液の流れが悪くなる病気です。
<主な原因>動物性の脂(例:バターやラード(豚の脂肪))や植物性のマーガリンなどの過食
*ラード(豚)
体温の高い豚(38~39度)の脂肪がそれより体温の低い人間が食べると固まり(陽性)を
作りやすい。
*マーガリン
本来液体である植物性の油に水素を添加して安定化させ、固めた(陽性にした)もの
陰性な病気(溶けていく病気)
拡散性の強い「冷やす」「緩める」「溶かす」つまり陰性な食べ物が原因です。
溶かす食べ物の代表選手が<砂糖>です。
砂糖の溶かす力は強力!
血液に0.5~1%の砂糖水をかけると、赤血球の膜が溶けて破壊されます。これが「溶血性貧血」の状態をつくります。
※貧血についてはこちら
糖尿病
糖尿病も溶ける病気(陰性な病気)です。砂糖の糖分が全身を溶かしていきます。
<糖尿病の症状(合併症)>
糖尿病の合併症は崩壊したり、出血するなどすべて「陰性」な症状です。
- 皮下出血(アザ)
ちょっとぶつけただけで内出血がおき、アザができます。
「あれ?こんな所、いつぶつけたかな?」と知らないうちにアザが出来ている場合は要注意です。 - 壊疽(えそ)
壊疽(えそ)は組織の一部が崩壊して(陰性)、血液が十分に行き渡らないために発生します。壊疽部分が黒色や茶色に変色して腐っていくため、手足の指を切断するような深刻な状態です。 - 失明
高血糖の血液によって眼底の血管が溶けて出血(眼底出血)することで起こります。 - 脳溢血(いっけつ)
脳卒中の一種で脳内の血管が破裂、出血して起こります。
※甘い物がやめられない方はこちら
その他の溶ける症状
- 歯肉炎(歯槽膿漏)
口内の常在菌が増殖して起こる炎症です。症状として歯茎の腫れ、痛み、出血、歯肉が赤くなる等の陰性な症状が起きます。 - 胃潰瘍(いかいよう)
胃壁が溶けて潰瘍ができます。場合によっては胃壁が破れ、胃液や消化物質が腹腔内に漏れ出す胃穿孔を起こし命にかかわることがあります。 - 胃下垂(いかすい)
胃が緩んで下方に垂れるものです。一般的には運動不足による筋肉量の低下や姿勢の悪さ、加齢、肥満などが原因とされますが、甘い物の過食など典型的な陰性症状です。
その他溶ける食べ物「酢」
「酢」も陰性食品の代表です。
だから肉・魚などの陽性な食べ物との相性がいいです。
例えば「酢豚」「酢だこ」「酢サバ」「蟹と酢」など、消化しにくい動物性食品を柔らかくする働きがあります。
★酢を使う時の注意点
陰性の力が強いので、そのまま飲んだりせず2倍酢・3倍酢にして使いましょう。
特に陰性体質の人は注意しましょう。
*腸が緩んで便秘や下痢が起きやすくなります。
*血管が緩んで低血圧になりやすいです。
*毛根が緩んで脱毛しやすくなります。
生活習慣病予防のポイント
★陰陽両極の食べ物の食べすぎに注意しましょう!
陰陽両極の食べ物は「固まり(陽性)を作りながら広がる(陰性)病気」の原因となります。
つまり『悪性腫瘍(がん)』です。
がんの特徴は「転移」することです。
陰性の強い食べ物の食べ過ぎには注意しましょう!
陰性体質の人の対処法 (冷えすぎた人・溶けすぎた人)
陰性な食べ物によって冷えすぎた人、溶けすぎた人は
肉ほど固まらず(陽性すぎず)、程よく温め固めるものを利用します。
例えば、地下に向かって(陽性)育ち、じっくり時間をかけて(陽性)成長し、太陽エネルギー(陽性)を蓄えた食べ物
そう、根菜類です!根菜類は太陽エネルギーを炭水化物として根に蓄えた陽性な食べ物。冷える病気、溶ける病気に最適です!
★料理としては、
ごぼう、人参、山芋、大根、葛(くず)などの根菜類を「火(陽性)」の力で煮しめた料理
きんぴら、筑前煮、けんちん汁など煮物は陰性体質の人に適しています。陰性な水分を乾燥させた乾物(切干大根や高野豆腐)もいいですよ。
陽性体質の人の対処法 (固まりすぎた人・締りすぎた人)
陽性な食べ物によって固まりすぎた人は、
砂糖や酢、果物など陰性の強いものではなく、中庸に近い程よく緩めるものを利用します。
例えば、地上で上空に向かって(陰性)育ち、火にかけても固まらず柔らかくなり(陰性)
程よく体を緩めて(陰性)クールダウンしてくれる(陰性)食べ物を利用します。
それは緑黄色野菜です。ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素も豊富です。お肉を食べる時に3,4倍付け合わせると陰陽バランスがとれます。ただし夏でもカラダが冷えているような陰性が強い人は食べ過ぎに注意しましょう!
料理としては、
ほうれん草、小松菜などの「葉物野菜」を水(陰性)でお浸しにしたり、和え物にします。レタス、生キャベツ、ブロッコリー、トマト、セロリなどを「サラダ」にして食べるのも陽性体質の人にはよいでしょう。
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